ドキュメンタリー『ザ・ビートルズの軌跡 リヴァプールから世界へ』推薦コメントとトークセッションレポートが到着!

©SHORELINE ENTERTAINMENT
7月3日(水)

初期のビートルズをよく知る男たちの証言からビートルズが成功するまでの軌跡を辿るドキュメンタリー『ザ・ビートルズの軌跡 リヴァプールから世界へ』が7月5日(金)より公開されるのを前に、本作のパンフレットに寄稿もしている、ビートルズ鑑定士 本多康宏より推薦コメントが解禁。さらに、ビートルズ研究家・藤本国彦の公開直前トークセッションレポートも到着した。

1970年に解散し、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン亡きあとも、アルバムやAI技術を借りて新曲を発表し話題を集めるなど、時代を超えて世界中で愛される伝説のロックバンド、ザ・ビートルズ。本作は初期のビートルズが出演していたリヴァプールのクラブ「ジャカランダ」のオーナーで、1960年そして61年に彼らのハンブルク巡業を手掛けた興行主アラン・ウィリアムズが、当時美大生だったジョンとスチュアート・サトクリフに女子トイレの修繕の仕事を頼んだ時の回想から始まるー。


<本多 康宏(ビートルズ鑑定士)コメント>
本ドキュメンタリーのメインである「ビートルズを手放した男」と「ビートルズに成り損ねた息子」の証言。「Love Me Do」デビューまでの一年足らずの虚々実々のストーリー。この作品で歴史の真実がどうであったかを想像してみて欲しい。
このように、60年以上経った今日でもファン一人一人に考えさせることができるのも、ビートルズの壮大さの表れだ。皆さんはどう受け止めますか?


また、7月2日には、公開を前に、本作の字幕監修者でもあるビートルズ研究家・藤本国彦が本作の魅力を語る公開直前トークセッションが開催された。ビートルズ研究家の藤本は、本作のクライマックスである、ドラマー交代劇の前情報を解説。「ドラマーはいてもすぐやめてしまう。アラン・ウィリアムズの後に、競馬で当てたモナ・ベストがクラブを作り、ビートルズのメンバーを引っ張ってきて、初日から演奏させた。モナ・ベストの息子のピート・ベストはドラムを持っていたため、ハンブルク巡業に行く時に形だけのオーディションをして、ジョン、ポール、ジョージとジョンの美術学校の同級生のスチュアート・サトクリフとピートの5人でハンブルクに行った。スチュアートは、絵のコンテストの賞金でジョンに無理やりベースを買わされた。」とのこと。交代したリンゴ・スターのドラムの腕前は圧倒的で、ビートルズのメンバーは、リンゴとハンブルクで共演していたそう。また、ピートは根が真面目で、ハンブルクの写真でステージ以外でピートが一緒に入っている写真は少ないとのこと。

ピート・ベスト脱退の裏話として、「当時、ポールとジョージと同い年のニール・アスピノールというロード・マネージャーがいて、ピートのお母さんとくっついて、ローグ・ベストという子供ができた。おそらく1962年8月位の生まれで、ピート・ベストの解雇と同じくらいのタイミング。」という衝撃的なエピソードを披露した。来日時にピートご本人をインタビューした藤本は、「ジョンが一番親しかったのに、解雇の話をエプスタインから聞いたのには、がっかりしていた。それ以来ビートルズのメンバーとは会っていないとのことだった」と後日談も話した。


本作に出演する初代マネージャーであるアラン・ウィリアムズに関しては、「最初にビートルズを見つけた人、ハンブルクと繋いだ人。世界に羽ばたいた時に、捨てられてしまう人っているじゃないですか。『ビートルズを手放した男』という本も書いている。」とその顛末を紹介し、後のマネージャーであるブライアン・エプスタインがビートルズにお行儀のいいスーツを着させたような時代とは全く違い、「革ジャンの頃のビートルズなので、『もっとどんどんやれ』という感じだったと思う。」と話した。「(マネージャーが)アランのままだったら、リヴァプール止まりだっただろう。1963年までは、ポップの主流はアメリカだった。メンバーは、エプスタインの演出に乗っかって、スーツを着た」と世界でブレイクした理由を説明。

また、本作では、当時英国最大のレコード会社であったデッカ・レコードのオーディションでの失敗について語られているが、「デッカのオーディションに受かっていたら、ジョージ・マーティンという面白いプロデューサーに出会えていなかった。デッカのスタジオよりも、EMIスタジオの方が音がいいから結果オーライ。」と、こちらもビートルズのキャリアの分岐点になったであろうエピソードを話した。本作の見どころについて、藤本は、「亡くなっている方が多いので、よくぞ映像として残してくれたと思う。」と話した。具体的には、初代のエンジニアだったノーマン・スミスを挙げ、「本は1冊あるけれど、職人肌の人で、そんなにエピソードをいっぱい喋る人ではなかった。今回の映画では、デビュー前後の話が面白かった。」と言及した。また、「『ラヴ・ミー・ドゥ』のセッションドラマーのアンディ・ホワイトがスタジオの様子を話していて、貴重。その辺の話は私も全く知らなかった」と話した。

また、本作は、「インタビューだけでなく、補う形でライブシーンはいくつか使っている。ダラダラ喋っている訳ではなく、飽きたりしない」と話し、「ビートルズはデビュー前から解散まで全てが面白いけれど、先が見えない中でどういう風に有名になるか、デビュー前後が一番面白い。当事者だった元ドラマーを含め、マネージャーや初期のエンジニアなど関係者が語るので、内容の面白さもそうですけれど、その向こうにビートルズ像が浮かび上がってくるドキュメンタリーになっている。『へー、そうなの。こんなやりとりがあったんだ』とご覧になっていただければ。」とアピールした。


7月5日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

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